濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜④

昔の街の様子がわかる小説を見つけました!著作権フリーなので、ここで紹介します! 濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜④ 十  四五日たつと、あの夜をかぎりもう行かないつもりで、秋袷の代まで置いて来たのにも係らず、何やらもう一度行って見たい気がして来た。お雪はどうしたかしら。相変らず窓に坐っている事はわかりきっていながら、それとなく顔だけ見に行きたくて堪らない。お雪には気がつかないよう…

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濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜③

昔の街の様子がわかる小説を見つけました!著作権フリーなので、ここで紹介します! 濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜③ 七  わたくしはお雪の出て行った後あと、半なかばおろした古蚊帳の裾すそに坐って、一人蚊を追いながら、時には長火鉢に埋めた炭火と湯わかしとに気をつけた。いかに暑さの烈しい晩でも、この土地では、お客の上った合図に下から茶を持って行く習慣なので、どの家でも火と湯とを絶たや…

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濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜②

昔の街の様子がわかる小説を見つけました!著作権フリーなので、ここで紹介します! 濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜② 四 小説「失踪」の一節 吾妻橋のまん中ごろと覚しい欄干に身を倚よせ、種田順平は松屋の時計を眺めては来かかる人影に気をつけている。女給のすみ子が店をしまってからわざわざ廻り道をして来るのを待合まちあわしているのである。  橋の上には円タクの外ほか電車もバスももう通っ…

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濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜①

昔の街の様子がわかる小説を見つけました!著作権フリーなので、ここで紹介します! 濹東綺譚 永井荷風 青空文庫より〜① 一  わたくしは殆ど活動写真を見に行ったことがない。  おぼろ気な記憶をたどれば、明治三十年頃でもあろう。神田錦町にしきちょうに在った貸席錦輝館で、サンフランシスコ市街の光景を写したものを見たことがあった。活動写真という言葉のできたのも恐らくはその時分からであろう…

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